米中間選挙で民主党が上下両院、AI規制に現実味
3行でわかる
- 米中間選挙で民主党が上院と下院の過半数を獲得した
- データセンターを禁止・制限する住民投票が少なくとも38か所で可決
- AIの包括的な連邦法は不透明。当面は議会の調査と州・自治体の規制が中心
11月3日(現地時間)の米中間選挙で民主党が上下両院の過半数を取り、AI企業への監視が強まる見通しです。
選挙結果とAI企業への影響
これまではトランプ政権の共和党が、ホワイトハウスと議会の両方を握っていました。選挙後はIT政策に影響が出る見通しで、AIデータセンターの建設規制と、米IT大手への議会の監視が焦点です。
CNBCによると、民主党は議会の調査権限を使い、AI企業への監視を強める構えです。下院議員のグレッグ・カサー氏は、AI企業のCEOを議会に呼び、宣誓証言を求めるべきだと主張しています。AIが雇用に与える影響も論点になるとみられます。
データセンターへの反発
データセンターは、AIを動かす大量のコンピューターを置く施設で、電気と水を大量に使います。Washington Postによると、建設を禁止または制限する住民投票が、少なくとも38か所の自治体などで可決されました。
件数は報道で違います。Forbesは10州で41件の住民投票があり、うちオハイオ州が21件だと数えました。Ballotpediaの集計を引くYahoo Newsは、50件超のうち47件でデータセンターに否定的な結果が出たと伝えています。理由には、電気代への影響、騒音、事業の承認手続きへの不信が挙がっています。
首長や議員を選ぶ選挙にも影響が出ました。テキサス州では、データセンターの新規承認を止めると訴えた民主党のジーナ・イノホサ氏が、現職の共和党知事に勝ちました。オハイオ州では民主党のシェロッド・ブラウン氏が、現職のジョン・ハステッド上院議員に勝っています。
テキサスの新上院議員の公約
同じテキサス州では、民主党のジェームズ・タラリコ氏が共和党のケン・パクストン氏を破り、連邦上院議員になりました。公約は次のとおりです。 ・AIで生まれた利益に課税し、国民に還元する ・データセンターの電力と水の使い方への規制を強める ・IT大手への税制優遇をなくす ・SNS企業に、未成年者へのアルゴリズムによるターゲティングの禁止を求める
株式市場の反応
Reutersによると、11月4日の米株式市場ではAmazonの株価が一時7.4%上がりました。Meta、Alphabet、Microsoftも2〜6.3%上がっています。新しいデータセンターの建設が制限されれば、すでに設備を持つ大手が有利になり、設備投資の負担も軽くなるとの見方が背景にあります。
法律はできるのか
トランプ大統領には拒否権があります。AIに関する包括的な連邦法が成立するかは不透明で、当面は議会による企業への調査と、州や自治体の規制強化が主な影響になるとみられます。
議会では、電力を大量に使う新設のデータセンター(20MW以上)に、電力設備の追加費用を全額負担させる上院の法案が準備されています。最初の採決は11月9日の予定で、可決には60票が必要です。
あなたへの影響・やること
- ChatGPTやClaudeなどを使う人:今すぐ使い方が変わる話ではありません。日本での利用に関わる変更も発表されていません
- 大手IT株を含む投資信託などを持つ人:選挙直後に株価が上がりましたが、今後の規制の行方で値動きは変わります
- 次に確認すること:11月9日の上院の採決と、AI企業のCEOが議会に呼ばれるかどうか
