Claude、旧モデル4種の文章にも見えない透かしを追加
3行でわかる
- Anthropicが11月3日から、Claudeの旧モデル4種の文章に見えない透かしを入れた
- 文字は増えず、料金や品質は変わらない。利用者は止められない
- ふつうに使う人がすることはない。文章を見分ける力は一般には公開されていない
Anthropicは11月3日から、Claudeの旧モデル4種が書く文章に、目に見えない透かしを入れ始めました。
何が変わったのか
透かしは、言葉の選び方に隠された目印です。同じくらい自然な言い方が複数あるとき、秘密の鍵に沿って選ぶ言葉をかたよらせます。文字や記号は増えません。コピーして貼り付けても残り、軽い手直しなら消えにくいとされています。
対象は、Claude Mythos 5、Opus 4.7、Opus 4.6、Sonnet 4.6です。Opus 5.5など、8月2日以降に出た新しいモデルには、最初から入っています。今回は、それより前に出た旧モデルにも同じ仕組みを広げた形です。
料金や使い心地への影響
Anthropicは、品質や読みやすさ、文章の創造性に差は出ず、料金や入力量の数え方(トークン数)も変わらないと説明しています。速度への影響もわずかです。透かしに、利用者や会社、会話の情報は入っていません。
一方で、言葉を鍵で選ぶと細かな言い回しの正確さが落ちるのではないかと、評論家のジョン・グルーバー氏は疑問を示しています。どちらの主張も、確かめられた証拠はまだ限られています。
なぜ今、世界で入れるのか
背景には、EUのAI規則(AI法)の第50条があります。AIが作った出力に、機械で読める印を付けるよう求める決まりです。8月2日より前に市場に出ていたシステムは、12月2日までに対応します。
Anthropicは地域ごとに印を付け分ける確かな方法がないため、EUの外でも一律に入れています。日本からの利用も対象ですが、日本向けの特別な扱いは伝えられていません。
見分けられる人と限界
透かしを読み取れるのは、Anthropicの鍵を持つ側だけです。検出用のAPI(プログラム向けの窓口)は、規制当局や報道機関、研究者などの承認された組織に限って試験提供されています。一般の人が文章を調べる方法は、まだ公開されていません。
画像のPNGやJPEGには、出どころを示すC2PAという別の表示が付きます。こちらは無料の「Claude Content Checker」で誰でも確認できます。
透かしがあっても、Claudeだけが書いた証拠にはなりません。校正や翻訳をClaudeに任せた人間の文章にも残るからです。逆に透かしがなくても、人が書いた証拠にはなりません。短い文章、事実を1つ答えただけの文、コード、全面的な書き直しでは、ほとんど検出できません。
開発者が知っておくこと
Opus 4.6とSonnet 4.6では、設定値のtemperature、top_p、top_kをすべて初期値のままにしたときだけ、透かしが入ります。1つでも変えると消えます。Anthropicは、透かしを法令対応に使う人は初期値のままにするよう呼びかけています。Mythos 5とOpus 4.7には、この注意はありません。
Amazon Bedrock経由の利用では、反映が数日遅れる可能性があります。
あなたへの影響・やること
- Claudeをふつうに使う人は、設定の変更も手続きも要らない。料金も変わらない
- Claudeに手直しを頼んだ文章でも、透かしが残る場合がある。学校や職場でAI利用が禁止されているなら、先に決まりを確認する
- 「透かしがない=人が書いた」とは言えない。文章の出どころを断定する材料にはしない
- 開発者は、Opus 4.6とSonnet 4.6の設定を1つでも変えると透かしが消える点を確かめる
