米FTCがウォルマートなど9社に個別価格の記録提出を命令
3行でわかる
- 米FTCが10月28日、ウォルマートなど9社に社内記録の提出を命じた
- 各社の期限は45日。違法と判断されたわけではなく、実態調査が目的
- 調べるのは、客ごとの値段の違いと、配達員などの報酬の決め方
米連邦取引委員会(FTC)が10月28日、ウォルマートなど9社に社内記録の提出を命じました。客ごとに値段を変えていないかを調べます。
9社に出た記録の提出命令
対象は9社です。ウォルマート、ターゲット、ウーバー、デルタ航空、ユナイテッド航空が入っています。ほかはジェットブルー、リフト、ドアダッシュ、インスタカートです。ジェトロの11月2日付ビジネス短信が伝えました。
命令の根拠は、FTC法6条(b)という規定です。研究のために企業へ情報の提出を求められる仕組みで、各社の期限は45日です。出さない場合は、裁判所に命じてもらうこともできます。現時点で違法と判断されたわけではなく、実態を調べて報告書にまとめるのが目的です。
調べる内容は大きく2つ
1つ目は、客の個人データをもとに人によって値段を変える「個別価格設定」です。会員プログラムへの参加や個人情報の分析で、同じ航空券や配達サービスの値段が人ごとに変わるのかを見ます。
2つ目は、配達員などの働き手に払う報酬です。スマホの使い方や過去の受注の様子で、報酬が左右されていないかを調べます。ウーバーは、この支払いを調べる例として名前が挙がっています。
企業から直接集める理由
FTCは、2024年の調査では価格を決める会社ではなく、仲介の会社しか対象にできなかったと説明しています。実際の価格の決め方が分からなかったため、今回は価格や報酬を決めている会社から直接集めます。
2025年1月の中間報告では、企業が外部の会社を使い、ネット上の価格を人ごとに変えていることが示されました。ファーガソン委員長は、その調査は急ぎすぎで、最初から企業に直接データを求めるべきだったと話しました。分かりにくい決め方は精査するとも述べています。
名指しされた各社の反応
ウォルマートは、電子棚札(棚に付ける電子の値札)で個人を見分けて値段を決めることはないと説明しました。同社の経営トップも、収入や購入履歴で価格を決めないと話しています。ターゲットは、会員制度は基本価格を上げるためではなく、役立つ割引を知らせるためのものだと述べました。
デルタ航空は、差別的な値付けは許さず、個人データで個別の運賃を決めてはいないとしています。ジェットブルーも、個人情報や閲覧履歴では運賃を決めていないと答えました。ユナイテッド航空は、運賃は需要と空席で決まり、誰にも同じだと説明しています。
ほかの動きと日本への影響
FTCは別に、8月に個別価格設定の明示を求める方針案を出し、意見募集を11月21日まで受け付けています。アメリカでは、少なくとも30の州で価格に関する法案が検討されたとも伝えられています。
日本のネット店でも、客ごとの値付けは今後の話題になるかもしれません。
あなたへの影響・やること
- 自分のショップで会員・クーポン・閲覧履歴によって価格を変えるなら、客に分かる形で説明しておく
- 価格を自動で変えるツールを使うなら、何のデータで動くのかを把握しておく
- 海外販売をするなら、アメリカの規制の動きを定期的に確認する

