OpenAI、コード置き場を作り直し 書き込み待ちが約8割減
3行でわかる
- OpenAIが、社内のプログラム保管庫を支える新しい仕組み「Pando」を発表しました。
- プログラムを書き込むときの待ち時間の中央値が、約8割短くなりました。以前は動作が9割を下回ることもありました。
- 社外には公開されておらず、一般の利用者がやることはありません。
OpenAIは11月2日(米国時間)、社内のプログラム保管の仕組みを作り直し、「Pando」として運用していると公式ブログで発表しました。
なぜ作り直したのか
OpenAIは、全社のプログラムを1か所にまとめて「Git」という管理ツールで保管しています。Gitは、書き換えの履歴を残しながら、複数の人が同じプログラムを編集できる仕組みです。ところが、Codex(OpenAIのコード作成AI)で同時に進む作業が増え、書き込みや取り出しが急に多くなりました。
その結果、取り出しや書き込みが遅くなり、変更を合流させる作業の失敗も増えました。動作の安定度は、ときに90%を下回っています。古い仕組みでは、関係のない作業の書き込みまで、順番待ちをしていました。
Pandoの仕組みと成果
Pandoは、作業の枝(ブランチ)ごとに順番を管理します。別の枝への書き込みは待たずに進みます。使う側は、これまでのGitの操作をそのまま使えます。OpenAIによると、2026年4月から実際の開発で動いています。
OpenAIが示した数字では、書き込みの待ち時間の中央値が約8割短くなりました。1日に配るデータは約1ペタバイト(1000テラバイト)で、ピークの1時間には57テラバイト超を配っています。9割超は、近くのキャッシュ(一時保管)から届きます。数字はいずれもOpenAI自身の発表で、第三者の確認はありません。
作るのに10週間かかりました。核になる設計は技術者1人が考え、実装の多くはAIの作業チームが担ったと伝えられています。
引き換えに失ったもの
代わりに、複数の枝を同時に読むと、同じ時点の状態とは限りません。OpenAIはこの性質を「因果整合性」と呼んでいます。また、同じデータの塊を使い回すため、すでに持っているデータが重ねて届くことがあります。通信が遅い環境では、この無駄が負担になります。
外部への公開と反応
プログラムのコードや使い方の資料は公開されておらず、社外のチームは使えません。共有の方法は探っているものの、公開は約束していません。OpenAIは、自社で改良したGitの成果を、本家のGitに提供する考えです。
技術者向けの掲示板では、似た仕組みはMetaやGoogleに前からあり、新しい発明ではないという声が出ました。Qodoは、書き込みの詰まりがなくなれば、次に混むのはコードの確認作業だと指摘しています。GitHubの調査では、9月のプルリクエストの40%超がAIの下書きから始まりました。3月は17%でした。
あなたへの影響・やること
- ChatGPTやCodexを使う人は、今のところ特にすることはありません。Pandoは社内の仕組みで、利用者の操作は変わりません。
- プログラムを書く仕事の人は、AIが書いた変更が増えるほど、保管の仕組みと確認作業の両方に負担がかかる点を覚えておきましょう。
- Pandoの公開時期は決まっていません。使えるようになるかは、OpenAIの今後の発表で確かめられます。
